アルー株式会社 代表取締役社長 落合文四郎
アルーが生まれた背景、追求したいこととは?
創業にあたって「社会課題になっていくだろう事柄を、ビジネスで解決することをやり続けたい」と考えました。その中で、日本における労働人口減少の課題は、30年、50年、100年かけて解決すべき社会課題であり続けるだろうと考え、労働生産性を高めていくビジネスを立ち上げました。「教育」は、「人に選択肢を与える手段」であると思っています。選択肢を広げ、その中から自分で選んだという自己選択感を持てることは、充実感や幸福感に繋がると思います。「教育」というサービスを提供していくことで、広く世の中の人々の「あらゆる可能性を切り拓く」ことを追求していきたいと考えています。
落合社長が考える社会人教育・研修事業の課題とは?
「教育の効果」が見えづらいことは、社会人教育、研修事業を行う業界全体の課題だと考えています。現状、企業は従業員の教育に最低限の投資をしますが、広告や設備投資のような投資効果が教育では見えにくいため、追加の投資をしないという構図が生まれています。アルーは、社会人教育の専門家として「育成の成果」にこだわっています。成果が見えるようになれば、企業も投資しやすくなると共に、より良いものが最終的なお客様である受講生に届くと考えているためです。そのため、一日の「研修」で気づきを与えるだけに留まらず、その先にある受講後の行動の変化や意識の変化に繋がる価値の提供を目指しています。
「社会人教育」の熟達とは?
この業界は、「人材育成」の専門家としての姿勢がお客様から求められます。とは言え、新入社員だからといって、何もできないわけではありません。新入社員一人で仕事をすることはなく、上司や先輩とチームを組んで仕事を進めていきますし、武道の「守破離」のような世界で、まずは知識や経験を積むことで型を身につける期間が3、4年はあります。その後、専門分野を決め、社外で話しができるぐらいになると「離」の世界にいきます。そんな武道のような熟達がある世界が「社会人教育」の世界です。
なぜこのような熟達の世界ができるかというと、社会人教育、組織の人材育成というのは、一人一人、一組織一組織、正解が変わる世界であるためです。その中で、一筋縄ではいかない課題解決をやり続けることで、熟達が進んでいくと考えます。
難しい世界に見えるかもしれませんが、学生の皆さんにも経験はあると思います。チームづくりや個人の成長における課題と解決策は、毎回違うでしょう。そういった「人や組織」の課題に向き合い続ける仕事だと捉えてもらえると良いでしょう。
社会人教育という分野を最初のキャリアとして選ぶこととは?
これからは、より成長の責任が個人に問われ、「何のスペシャリティがあるか?」と問われる世界になっていくでしょう。それぞれやりたいと思う専門分野が、早い段階で求められてくる可能性もあります。
キャリア形成という視点で見ると、まだ日本では「社会人教育」という分野をスペシャリティとして持つことは希少で、他との差別化ができる分野だと思っています。「学校教育や幼児教育」の分野は学生にも馴染みはあると思いますが、より多く試行錯誤されてきた分野でもあります。一方、社会人教育は業界課題を挙げたように、まだまだ試行錯誤の余地がある分野です。「人・組織」や「教育」という分野に興味があるならば、「社会人教育」という分野で長期的に専門性を磨くという選択肢も一つ面白い世界なのではないでしょうか。

interviewer:
コーポレート部人事グループ新卒採用担当
白澤ひかる(入社5年目)