COLUMN コラム

ビジネス英会話習得の科学

日本人英語学習者の傾向と効果的な学習方法の紹介

ビジネス英会話習得の科学
2019.12.05

アルー株式会社は、ビジネスの主体をグローバルに移行しようとする大手企業に勤める多くのビジネス英会話学習者と接し、どうすれば多忙なビジネスパーソンがいかに短時間で、かつ効率的にビジネス英会話を身につけられるかを常に探究しています。
単なる思いつきや経験で英会話を習得させようとしているサービスが世の中に溢れかえる中、第二言語習得における科学的なアプローチを取り入れて、ビジネス英会話の習得を目指す数百名の受講生と数年間真剣に向き合ってきました。
このレポートではその成果を紹介しながら、数多くの英会話スクールと一線を画する新しい学習方法を紹介してまいります。
第1回目となる本レポートでは、第二言語でコミュニケーションを図るということはどういうことなのかを理解するために、「コミュニケーション能力」の定義を紹介します。その上で、日本人英語学習者の傾向、そしてどのような学習アプローチが有効なのかについても触れていきたいと思います。
まず、「コミュニケーション能力」の定義ですが、「Canale & Swain, 1980」が提唱したモデルが言語教育分野だと有力だと思われるのでご紹介します。
彼らが提唱したモデルにおいて、コミュニケーション能力は以下の4つの要素に分類されます。

① 文法能力:(Grammatical competence):単語、文法など言語項目を使いこなす能力
② 談話能力(Discourse competence):2文以上の文章・会話を理解し、作り上げる能力
③ 戦略的能力(Strategic competence):コミュニケーションを円滑に進めるための戦略を使う能力、問題が起ったときに処理する能力
④ 社会言語能力(Sociolinguistic competence):社会文化的に適切な言語を使う能力

今回は、この内①②の文法能力、談話能力に関して、日本人にとって優先的に必要な第二言語(特に英語)の学習アプローチに関して考察してみます。
コミュニケーション能力を、「読む」、「書く」、「聞く」、「話す」の4つの能力で考えた時、多くの日本人に見られる英語力の特徴として、以下の図(平成27年英語能力改善のための英語力調査報告 文部科学省)のように話す力や聞く力が読む力や書く力に比べて相対的に低いことが推察できます。

※CEFR(Common European Framework of Reference for Languages : ヨーロッパ言語共通参照枠 ) CEFRは、ヨーロッパ全体で外国語の学習者の習得状況を示す際に用いられるガイドライン。

多くの日本人は、学生時代に、簡単な文章の英語を読むのに最低限必要な2,000語以上の英単語と中学レベルの英文法を学習していることが多く、英語を話す上で必要な知識はある程度インプットされていると思われます。
では、なぜ話す力が非常に弱いのでしょうか。

知識をアウトプットする機会、つまり英語を話す機会が他の3つに比べて極端に少ないことが、理由の1つとして挙げられるのではないでしょうか。
その背景には、日本の英語教育は、明治維新の時代に欧米の先端の文献を理解するために文法やリーディングを中心に行われ、授業で話す機会が極端に少なかったことが考えられます。また、自動化理論(※1)に基づいた指導を先生から受け、最初から完ぺきに一言一句正確な文で話さないといけないというプレッシャーを感じているということも考えられます。そして、間違えを恐れる事の他に、恥ずかしがり、不安になることで言葉を発せられなくなってしまうこともあるのではないでしょうか。後者は、神経言語プログラミング(※2 NLP)でいう英語を話す苦手意識が膨らみ、メンタルブロックがかかる状態であることが推測できます。

このようにプレッシャーやメンタルブロックがかかった状態の人には、恥ずかしさや不安が取り除かれた状態で先生と対話形式でインプットを積み重ねながら言語習得を達成する「コミュニカティブアプローチ」が効果的であると考えます。コミュニカティブアプローチを基本とし、正確さより流暢さを意識する事が大切です。同時に正確さとのバランスを意識し、流暢さだけでなく、少し正確さにも目を向けさせることも重要です。なぜなら、言語習得の過程で出てくる誤りの多くは自然に無くなっていきますが、誤りを繰り返すと「固定化(化石化)」が生じてしまい、間違える癖がつき、直りにくくなってしまいます。固定化を防ぐためには、流暢さと共に正確さとのバランスを意識したトレーニングが必要であると考えます。
より具体的な学習方法や学習論に関しては、戦略的能力、社会言語的能力などと併せて、今後のレポートで紹介していきます。

※1 自動化理論 最初に明示的知識を身につけ、練習する事により自動的に言語が使えるようになるという理論。
※2 NLP Neuro Linguistic Programing(神経言語プログラミング)の略称。コミュニケーション・能力開発・心理療法へのアプローチを目指す技法。

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湯川 泰行
アルー株式会社

グローバルHRC部 ALUGO法人グループ グループマネージャー
英国王立Nottingham大学経営大学院(MBA取得)卒業
同志社大学工学部化学工学科卒業 
大学在学中に米国スタンフォード大学ALCプログラム終了、米国ハーバード大学留学 資本投資、国際ビジネス単位取得。国立台湾師範大学短期留学で中国語を学ぶ。 世界4大国際会計事務所KPMGにて大手電機メーカー等に業務改善コンサルティングを多数実施、その後、 大手電機メーカーの携帯電話部門で携帯キャリア米国スプリント社、中国聯通社へのグローバルマーケティング業務に従事、大手アパレル商社 海外事業部部長として、パリのデザイナー向け服飾素材展示会プルミエルビジョンに欧州外の企業として初出展を果たす。海外で活躍できる発信力のあるビジネスパーソンの育成が社会の課題だと考えるアルー株式会社に共感して入社、様々なグローバル人材育成のプロジェクトに携わる。

アルー株式会社
英国王立Nottingham大学経営大学院(MBA取得)卒業
同志社大学工学部化学工学科卒業 
大学在学中に米国スタンフォード大学ALCプログラム終了、米国ハーバード大学留学 資本投資、国際ビジネス単位取得。国立台湾師範大学短期留学で中国語を学ぶ。 世界4大国際会計事務所KPMGにて大手電機メーカー等に業務改善コンサルティングを多数実施、その後、 大手電機メーカーの携帯電話部門で携帯キャリア米国スプリント社、中国聯通社へのグローバルマーケティング業務に従事、大手アパレル商社 海外事業部部長として、パリのデザイナー向け服飾素材展示会プルミエルビジョンに欧州外の企業として初出展を果たす。海外で活躍できる発信力のあるビジネスパーソンの育成が社会の課題だと考えるアルー株式会社に共感して入社、様々なグローバル人材育成のプロジェクトに携わる。

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アルーが考える的確な語学習得の手法をご紹介してまいります。

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