大同特殊鋼株式会社様 導入事例

事例紹介:つなげ。次の100年へ

大同
大同株式会社
会社名 大同特殊鋼株式会社
従業員数 13,436名(連結) 3,473名(単独)
事業内容 特殊鋼鋼材、機能材料・磁性材料、自動車部品・産業機械部品、エンジニアリング、流通・サービス
大同特殊鋼株式会社様(以下、大同特殊鋼)では、全階層の研修ご支援の機会をいただいています。

2016年8月、大同特殊鋼は100周年を迎えました。これを機に、経営理念、行動指針を見直し、経営理念の実現に向けて0から教育体系の再構築を行いました。
教育体系を通じて経営理念や行動指針の浸透を実現するためにどのような取り組みや工夫をしたのか。どのような受講者の意識や行動変化があったのか。そして、次の100年に向けた意気込みについて伺いました。
多田 賢司 様
人事部
人材開発センター
センター長 兼 人材育成室
室長
多田 賢司 様
(文中敬称略、多田)
鷺坂 弘幸 様
人事部
人材開発センター
人材育成室
鷺坂 弘幸 様
(文中敬称略、鷺坂)
※記載部署や掲載写真は2020年取材当時のものであり、その後変更されている場合もあります。

教育体系の課題


経営理念実現のための教育体系再構築

Q 経営理念、行動指針、教育体系の見直しを行ったことで、会社としてどのようなメッセージを伝えたかったのでしょうか?

多田
: 「次の100年に向けて」というのが、大きなメッセージだと考えています。先人の知恵や築き上げてきたもの、信念を基に経営理念や行動指針を整理しました。
社員が自律的に成長し、やりがいを持って業務に取り組んでいくことで、会社も持続的な成長を実現し、次の100年を作っていきたい。このような意味を持っています。

経営理念、行動指針、人事育成方針
経営理念


Q 教育体系構築にあたり、こだわった点や工夫した点はありますか?

鷺坂 : 我々が関わったのは、期待される行動をとるために必要な知識やスキル、姿勢の整理、NG行動チェックリストの作成などです。特に若手3年目までは、年次終了時のゴール像や期待行動を細かく整理しました。他のグレードとの違いや整合性の確認、行動指針との紐づき、このあたりは特にこだわりました。

多田 : また、一人が作るのではなく、人材育成室全員で作成するということが工夫した点です。自分のグレードに近い部分についてメンバーがそれぞれ担当し、関係者へのヒアリングや議論を繰り返して推敲を重ね、「自分たちはこのようになっていけば、経営理念を実現できる人材になれる」というものを形にしていきました。新教育体系構築にあたり、人事企画室他、協力してくださった方々に、心から感謝しています。

G2 成長マップ
成長マップ


Q キャリアについて考える機会が多いですが、どのような想いからこのような機会を設けたのでしょうか?
多田 : 「キャリア」と聞くと、仕事上のキャリアパス(外的キャリア)を想起する方が多いと思います。会社で行う研修なのでその意味も含みますが、どちらかというと、自分の人生をよりよくしていくために(内的キャリア)という意味で、このような機会を設けています。キャリア研修では、MUST, WILL, CANの考え方を取り入れています。自分にとってできることを明確にし、やらなければいけないことを整理し、実践しながら、やりたいことを勝ち取っていくというサイクルを就業に限らず、人生そのものにおいて身に付けてほしいと考えています。

教育体系図
教育体系図

受講者インタビュー


40代キャリア研修
星崎工場総務室
三浦 奈巳世 様
※記載部署は2020年取材当時のものであり、その後変更されている場合もあります。
「組織活用」で一気に視野が広がった

Q キャリアデザインプログラムについて、受講前はどのようなイメージをお持ちでしたか?

会社で20年以上勤務をしているので、今更キャリアかと思う気持ちがありました。ただ、50代のキャリア研修を受講した方に話を聞いたところ、面白かったという感想を聞いていたので、不安半分、楽しみ半分といった気持ちでした。

Q 一番の気づきはどのような内容でしたか?

「組織活用」という言葉です。会社に勤めている限り、企業貢献ということは当たり前に求められますが、貢献ばかりだと、モチベーションが続かないことがあります。
しかし、「組織活用」という視点で考えると、お給料をいただきながら知識を習得し、経験を積ませてもらい、資格を取り、人脈を作ることができる。目の前の仕事が変わったわけではありませんが、研修後、このように、今の仕事を前向きに捉え直すことができました。一気に視野が広がった気がします。
イメージ画像

Q キャリア=仕事とイメージしがちですが、受講していかがでしたか?

受講前は、仕事のキャリアのことしか頭に浮かびませんでした。しかし、例えば研修で学んだ「物の見方は色々ある」という考えは、仕事、プライベートに関わらず活かせる内容だと思いました。さらに、「組織活用」という視点で改めて目の前の業務を見ることで、「人生そのものをより豊かにしていくために、職業生活を送っていく」という考えに変わりました。
キャリアイメージ
小嶋 和希 様
G2 法務部
名古屋法務室
小嶋 和希 様
※記載部署や掲載写真は2020年取材当時のものであり、その後変更されている場合もあります。

「巻き込む力」に取り組んでいく

Q 研修後、現場で実践していることはありますか

先生の言葉でとても印象深いものがあり、特に3点を実践しています。1つ目は、「質か量かスピードのどれかで相手を感動させる」というものです。今の自分はまだ、相手を感動させるレベルには至れていません。しかし、業務に取り掛かる前に「量、質、スピード、どれで自分は戦うことができるのか」という視点で考えてから目の前の業務に取り掛かることで、レベルアップを目指しています。
2つ目は、「自分が快適なゾーンに居続けるのではなく、少しストレッチなゾーンに身を置く」というものです。日々の業務に対し、難しいな、できないなと感じた場合でも、自分はストレッチゾーンにいるのだと考えることで、仕事を楽しむことができるようになりました。
3つ目は、「コミュニケーションのパスは前に蹴る」というものです。どうしましょうと横にパスし、ともすれば後ろに蹴ってしまうことがあるのですが、それでは業務を推進することはできません。目の前の業務を前に進めるためには、コミュニケーションパスを前に出し、自らの考えを提案していくことも大事だと理解できました。

Q これから取り組んでいきたいことはありますか?
インタビュー写真
これまでは目の前の業務を遂行していくための専門知識やスキルを習得することに意識が傾いており、もし、ジョブローテーションがあったら自分はどうなるのかという漠然とした不安がありました。しかし、今回の研修を受講して、求められる役割や行動指針に沿った人材になるためには、どの部署、どのポジションでも求められる普遍的なスキルを身に付けていく必要があることに気付くことができました。今回の研修では、G1に求められる能力として定義されていた、定める力、巻き込む力、育てる力がそれです。身に付けるべき能力が明確になったので、今後のキャリア形成に対して前向きな気持ちになることができました。私にとって、これはとても大きな成果です。
特に巻き込む力については、これから力を入れて取り組んでいきたいと考えています。入社から日が浅いこともあり、組織自体の理解、人についての理解もまだ足りていないため、ゴールを共創していくことや対立を乗り越えるといったレベルには至れていません。職場での人間関係を構築していきながら、少しずつ取り組んでいきたいと思います。

人事インタビュー


人事部
人材開発センター
センター長 兼 人材育成室
室長
多田 賢司 様
(文中敬称略、多田)
人事部
人材開発センター
人材育成室
鷺坂 弘幸 様
(文中敬称略、鷺坂)
※記載部署や掲載写真は2020年取材当時のものであり、その後変更されている場合もあります。

Q 経営理念から教育体系までの一気通貫した取り組みが今後20年30年と続いた場合、会社にどのような変化が訪れると思いますか?
インタビューわしださま
鷺坂: 今は取り組んでいない新しい事業へのチャレンジ、新しいものを作っていこうという動きが出てくると思います。VUCAの時代を生き抜き、次の100年へバトンを繋いでいくためには、今の業界構造だけに縛られず、自ら学び、世の中の新しい情報をキャッチしていくような自主性、主体性を身に付けていく必要があります。今の取り組みを都度、環境に合わせてアップデートし続けていけば、こういった会社の状態を目指せると考えています。
Q これからこの教育体系をどのように進化させていく予定ですか?
多田 : キャリア、昇格教育、自己啓発という3本柱で、世代を見ながら、その時に受講する社員に合致した内容を提供していきたいと考えています。
鷺坂 : また、教育の効果測定や効率のよい受講方法を模索していきたいと考えています。働き方改革の流れもありますので、研修を受けることが大きな負担になってはいけません。無理がなく、でもしっかり効果が確認できるものを、これから追求していきたいです。
Q 本施策において、アルーの関わり方はいかがでしたか?
鷺坂 : この教育体系を作る際、7社ほどにお声がけし、アルーさんは最後にお声がけした企業でした。アルーさんはご提案の際、「このグレードの要件だと、2日間でこれとこれの能力開発ができる。もしこちらも入れる場合には…」というように、教育体系や私たちに寄り添った提案や説明をしてくださいました。
多田 : 色々なリクエストをした次の提案機会には、リクエストが反映された内容になっています。それが全階層のテーマで、実現されていました。さらに、我々がセオリーから外れた考えを示した際には、「それは違う」とはっきり教えてくださったのはアルーさんだけです。アルーさんに会わなければ、今ほど自信を持って教育体系を社内に提案できなかったかもしれません。
インタビューたださま
Q 最後に一言お願いします

鷺坂 : 社員の幸せが、会社の利益につながると考えています。キャリア研修を活用しながら、社員それぞれが「自分はこうありたい、こうしていきたい」という姿を描き、昇格研修で必要な知識やスキルを、自己啓発でプラスアルファの知識やスキルを身に付けることができるように、これからも教育体系のバージョンアップを図りたいと思います。
多田 : 当社の経営理念は素材の可能性を追求するというものですが、我々人材育成室にとって、素材は当社の社員です。教育という立場から、経営理念の実現に向けて、これからも全力で取り組んでいきたいと考えています。

記念写真大同

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