CASE STUDY
事例


事例紹介:異文化を受容し、自己成長を実現する
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会社名
帝人株式会社
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従業員数
19,711名 (2018年3月31日現在)
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事業内容
高機能繊維・化成品・複合成形材料、医薬・在宅医療、ITといった多岐にわたる事業をグローバルに展開
異文化を受容し、自己成長を実現する
4ヶ国で実施される海外派遣研修は、新入社員の段階で海外の文化や習慣を経験することにより、
早期に目線を外に向け、世界を舞台に可能性を追求するマインド醸成を図る。
現地の人々と触れ合い、異文化を体感する
※学生バディとは :
受講生と共にフィールドワークや現地活動を実施する現地の学生です。
受講生の活動におけるサポート・交流を図り、異文化理解を深めるためのパートナーであり、通訳ではありません。
カリキュラムの目的&GOAL
カリキュラムの具体的内容

対象になる受講生(新入社員)全員に対して、海外派遣研修の全体像を伝える
1.ディスカバーワークショップ説明
提示された情報を元に初期仮説を考える
2.フィールドワーク
現地の特色がわかる場所を訪問し、現地の文化や最先端のビジネス動向を肌で知る機会

ビジネスパーソンにインタビューを行ったり、あるテーマに基づいたディスカッションを行う
4.会社訪問
現地民間企業に訪問し、会社紹介・自己紹介をした上で、担当者にインタビューを行う
5.フリーフィールドワーク
最終日の発表に向けて、仮説を検証するための情報を得るため、調査エリアを考えて取り組む最後の機会
6.プレゼンテーション
現地で発表し、優勝チームを決定する
7.日本での成果発表会に向けた準備
帰国後の日本で各国の優勝チームが発表できるようにするための準備をする
受講生インタビュー 中国・杭州

海外派遣研修最終日のプレゼンテーションを終えたばかりの受講生にリアルな体験談を伺いました。
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マテリアル技術本部
配属Taisei Kojima 様 -
在宅医療機器営業
配属Mizuki Daimon 様
※記載部署や掲載写真は2018年取材当時のものであり、その後変更されている場合もあります。
研修中に自覚できた、変化と成長
Q. 中国研修前と現在(海外派遣研修終了時)で感じている変化はありますか?
マテリアル技術本部 配属
Taisei Kojima 様(以下、敬称等略 Kojima)
まず、同じ事象に関しても、それぞれにとらえ方が違うという多様性を学びました。相手を受け入れることの大切さや、積極的に伝えようとするという態度・スタンスが豊かになったと感じています。
在宅医療機器営業 配属
Mizuki Daimon 様(以下、敬称等略 Daimon)
日本にいる時に、私自身が中国に対して多少偏ったイメージを持っていました。しかし、実際に中国の方と直接お話しすると、今まで理解できなかったことが、その理由(文化や風習の違い)を知ることで異文化を素直に受け入れられたように思います。それが大きな変化感だと思います。
Q. 研修を通じて成長を感じた具体的な行動は?
Kojima:どちらかというと、今までは「自分が頑張らなきゃ」という意識が強く、自分がリードしなければという想いが強かったです。でも、研修のグループワークでは1週間という短い時間で成果を出さなければならず、私一人が頑張っても限界がありました。
そんな中で役割を分担し、誰かを信頼して取り組むと大変効率的だし、知識もアイディアも発信力も、一人だけでは成し得ない大きな成果に繋がりました。みんなと協力し、積極的に取り組むことの重要性を知り、信頼し合うことで成果に繋がることを学べたことが成長できた点だと思います。
Daimon:私の場合は、最初はかなり英語に対する抵抗があったので、学生バディに対しても、また、街頭インタビューで現地の方に話しかけるのも自分からはなかなか話しに行けませんでした。環境に慣れて抵抗がなくなってくると、単純に中国の方と話すと色々なことを知ることができて楽しいと感じ、もっと話したいという気持ちが強くなり、つたない英語だけれど臆せずコミュニケーションを取りたいという姿勢、行動に変わりました。
Q. ビジネスの現場で活かせることは何か?
Kojima:私はそれほど感じてはいませんでしたが、普段から我々日本人は、中国より日本の方が進んでいるという固定観念があるのではないか?と思う場面があります。しかし実際には全然そんなことは無くて、中国の方が発展している面もあるという「今そこにある現状」を、リアルに自覚できたのがこの海外派遣研修の成果のひとつでした。恐らく、この経験があるからどんな仕事に携わることになっても、文化的背景の異なる方と関わっていく際にこれまでと異なる視点で物事を捉えようと努められると思います。それを大事にしていきたいですね。
Daimon:私は、海外派遣研修を通じて「中国」という世界を見たことで、私の知らなかった世界の素晴らしさを多く感じることができたのは大変嬉しいことでした。中国の方には、私たちの研修の内容や取り組みを見てもらい、会話を重ねることで、日本のことへの理解を深めてもらえたのではないかと思います。私は配属後には日本国内で仕事をすることになると思いますが、相手を知ろうとすること、そしてどんなことでも誠実に取り組むこと、私の意見を率直に相手に知ってもらおうと伝える努力をすることなど、忘れずに実践していきたいと思います。
Q. 現地での食生活や体調管理は?
Kojima:きちんと十分に食べていましたので、元気に研修を乗り切ることができました。どちらかというと自分に合う食べ物が多くて、すべて美味しかったです。(笑)中国で暮らし、仕事をすることも無理なくできるなと思いました。
Daimon:最初はテーブルに並ぶたくさんの料理を前に、少ししか食べられませんでしたが、食べずに避けていたものを「挑戦してみようかな」と積極的に食べてみたら意外と美味しく、きちんと食べられるようになりました。
特に体調を崩すこともなく、元気に研修最終日を迎えることができました。
Q. 総括した感想は?
Kojima:もちろん良かったです。会社にも、研修に関わってくださったすべての方、仲間にも感謝しています。
Daimon:はい、良かったです。こうして改めてお話ししてみると、短い期間で私が変わったことがこんなにあったんだなと気が付きました。
先輩に聴く(海外派遣研修受講経験者)

実際に海外派遣研修を体験し、得た学びを職場に活かして働く先輩社員の講話。
後に続く受講生の不安を取り除き、未来に向けた活力を導いた。
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複合材料技術開発センター部
エンジニアリング開発部D.Nakamoto 様ベトナム研修 -
松山事業所
事務室A.Teraoka 様中国研修
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総務部
給与センターS.Kojima 様インド研修 -
樹脂事業本部
R&DセンターT.Nakazaki 様インドネシア研修
※記載部署や掲載写真は2018年取材当時のものであり、その後変更されている場合もあります。
Q. 今感じる、入社間もなく体験した海外派遣研修の意義
複合材料 技術開発センター部 エンジニアリング開発部
D.Nakamoto 様:正直に言うと、海外研修に行けると聞いた際、旅行気分というか、昂揚感があったのですが、実際に研修が始まると、研修は給料をもらう時間を過ごすということなので、有意義な学びを得て、価値のあるものにしなければならないという想いに変わりました。
旅行といったそんなに甘いものではなかったです。(笑)
今回このインタビューをきっかけに研修を振り返ることができて大変ありがたいと思っていますが、振り返ってみると今の業務につながっている学びがたくさんあることに気が付きました。
積極的に発信する姿勢、躊躇しないこと、先入観を持たず、相手を理解しようとする態度などです。
新入社員のうちで、まだ何も知らないからこそ、思い切りワーク・課題に取り組むことができたかなと感じています。
そこがやはり、新入社員が行きたい、行きたくないに関わらず、海外派遣研修を受ける意味、意義なのかなと思いました。
配属後、自分の担当業務が増えている中で、「研修で海外に一週間行ってください」と言われても、職場・仕事での調整が難しくて、新入社員(同期)全員が揃って参加することは難しいかなと思いました。
Q. 今年の新入社員を見て思うこと
松山事業所 事務室
A.Teraoka 様:すごくまじめそうだなという印象を持ちました。1年、2年の違いで、私たちとそれほど変わらないのですが。
行動がしっかりとしていて、かなりの量のメモを書き込んでいる人が多くて、頼もしく感じました。
新入社員からの質問を受けることがあったのですが、その際、長蛇の列ができていました。しっかり理解しようとしているんでしょうね。私たちの時にはなかった気がします。
彼らのその姿勢や行動が「真面目」だと表現して一般的に正しいのかどうかはわかりませんが、わからないことを知る姿勢や、聞いたことを漏らさず残そうという行動は素晴らしいことだと思いました。
彼らを見ていて、私たちも刺激を受けることが多く、一緒に成長して行ける気がします。
Q. 海外派遣研修での印象深い学びについて
総務部 給与センター
S.Kojima 様:英語を話すことは、海外で仕事をするから必要なのではなく、帝人の社員として仕事をするすべての人が必要だと感じています。
英語のレベルはそれぞれですが、海外派遣研修では話せる人も話せない人も相手に伝えようと必死になります。そもそも、英語を使ってのコミュニケーションを躊躇することが許されない環境に追い込まれますから、聞こうとするし話そうとするようになる。
しかしそれは、英語ができるようになるためというより、積極的に相手と対話しようとする姿勢です。
仕事は一人ではできない。日本にいても色々な職位・部署、個性の方と仕事をする。苦手だから特定の人を避けて仕事なんてできません。
英語を話そうと、何とかしようとする体験は、日本人同士の職場でも、円滑にパフォーマンス向上を図る上で大切な学びになったと感じています。
Q. これから海外派遣研修に臨む新入社員のみなさんに
樹脂事業本部 R&Dセンター
T.Nakazaki 様:海外派遣研修に約1週間も行くというのは、会社としては大変な投資です。そこに対して気持ちを引き締めて研修に臨むことは大切だと思っています。
しかし一方で、あまり凝り固まらずに、柔軟な発想で臨んでほしいという気持ちもあります。
会社に入ると、何かしらアウトプットする必要がありますが、経験値でその内容の厚みも変わって成長して行くものだと思います。
1年目、2年目なんて、どんなに頑張ってもできる幅は限られてしまう。でも、日々何かを学び得て積み重ね、それを蓄積していけば、少しずつアウトプットに活かせるようになり価値になる。今は貪欲に学び、感じて、蓄積する時期だと思います。
具体的には、海外派遣研修中も含めて、日々の学びや所感みたいなものを日記のように書いておけば役に立つということを伝えたいですね。
英語は大事ですが、方向の違う英語漬けにはならないでほしいですね。英語力を向上させたいというのと、英語を話す姿勢とは意味が違います。1週間アジアに滞在しても目指すほどの英語力向上は無理だと思うんです。積極性は担保しつつ、英語力を上げようとするのは少し置いておいて現地で学べることを大事にしてほしいです。現地の学生からや、自分の目で実際に見たアジアはどうだったか、一つでも多くのことを学び、視野を広げてほしいですね。
失敗をたくさん経験してほしいと思います。働き始めてから何度も躓くことがありますが、何かに取り組むから躓くし、失敗します。失敗は少ないほうがいい。
もちろん会社や仲間に迷惑をかけることは最小限にしなければならないと思います。
しかし、新入社員のうちは、リスクが小さいうちに失敗ができる。失敗って、一生懸命取り組まないと起きないことです。そして、失敗は、経験であり、次に活かせる。海外派遣研修でも、積極的に取り組めば失敗もあると思いますが、恐れず失敗してください。
良い意味で、研修で失うものは何もない。新入社員として行くこともそうですし、選抜されているわけでもない。全員が行く。まだ何もわからないと、周囲も理解してくれている。どんどんぶつかっていってほしいです。
経験者からのメッセージとしては、アウトプットをしっかり出してほしいということがあります。はっきりとした結果を出せという意味ではなく、自分の今の状況や気持ち、今そこにある感情と向き合って海外で研修するというせっかくの機会を存分に楽しんでほしいということです。
良い結果を出すことにこだわって先入観や人づての理屈やうわさで課題を解決しようとしても、「自分が発信すること」として受け入れられない。素直に向き合えば、伝えようとすることが相手に届き、おのずと良いアウトプットにつながると思うからです。
海外では言葉がわからないことで、発信しなくなりがちです。また、入社して2週間くらいでは社内の人、同期の仲間のことすらあまりよくわかっていないので普段の自分を出しにくい。
でも、せっかくの海外派遣研修がただ辛いだけになってしまったらもったいないです。
自分の気持ちや状況「つらい」や「わからない」といったことを発信することも大事なアウトプットです。まだ分かり合えていない人の中の自分だからこそ、素直に発信すること。それが大事です。自分から積極的に発信して仲間と信頼関係を築く。チームメイトが自分をサポートしてくれるようになる。今、職場で痛感していますが、助けを求めるというのがいかに大切で会社のため、自分のためになるということ。
それは海外派遣研修で学びましたね。
各国 受講生の声
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