中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京株式会社様
導入事例

OJTトレーナー年間プログラム 最終報告会を終えて

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会社名 中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京株式会社
従業員数 730名(2014年6月現在)
事業内容

サービス業

建設コンサルタント

中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京株式会社様(以下、中日本ハイウェイ様)では、2014年度にはじめて新入社員OJT育成活動(以下、OJT活動)を導入されました。それまでは、OJTに近い形の活動や風土も特に無い状況で、新入社員を向かえる環境として多くの課題があったと伺っております。
今回インタビューに応えていただいた佐藤様ご自身は、3年目の技術職社員としてご活躍中。会社からの任命でOJTトレーナーの役割を担い、任務期間中は、はじめてだらけのご経験をされました。佐藤様から、興味深い実体験のお話を伺うことができました。

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浜松道路事務所
技術管理第三課
施設点検班
施設点検検査担当
佐藤 貴之 様
sano
経営企画部
人財企画課
佐野 友介 様
※記載部署や掲載写真は2015年取材当時のものであり、その後変更されている場合もあります。

技術職の新入社員にとっては、「繰り返し聞きやすい」環境が仕事を覚える早道。

Q. 佐藤さんは普段どのようなお仕事をされていますか?
浜松道路事務所 技術管理第三課 佐藤 貴之 様(以下、敬称等略 佐藤):
所属している部署を正確に申し上げると、「施設点検班 施設点検検査担当」と末尾がつきます。自分は、新東名高速道路の設備の保守点検を担当しているので、「渋滞何キロ」と出ている情報板であるとか道路の照明であるとか、そういった設備の保守点検業務をしています。
現在取り組んでいるのはトンネル内の消火栓、大きなトンネルになるとスプリンクラーのような設備があるので、それらの点検業務が主たる任務になります。
Q. 佐藤さんは入社3年目だと伺いました。新入社員当時に学んだことは今に活かされていますか。
佐藤:自分の場合は身近に2歳年上の先輩がいたので、何でもかんでも全部聞いてしまって様々なことを覚えた記憶があります。当時はまだ新入社員の指導の手段としてOJT活動は稼動していなかったのですが、大変ありがたいことに自分の近くには年齢の近い先輩という存在があったので、質問がしやすかったですね。
自分とその先輩に限って言うと、OJT活動の指導者と指導を受ける立場の関係性に近かったように思います。実際に同じ仕事をしている、しかも若手という、立場の近い先輩でしたので、業務に直接関わる技術の指導はもとより、どんなことでも繰り返し聞き、繰り返し教えてくれることで、しっかり身に付き、当然今も日々の業務に活きていますね。
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教えることの難しさは、自分の大きな学びに繋がった

Q. 1年間のOJT活動を通じてどのような感想を持たれましたか?
佐藤:自分の入社時にはOJT活動はありませんでしたので、今回トレーナーとして関わることで、はじめて「OJTとは何か」を知ることができました。2014年度の新入社員にトレーナーとして向き合うという役割を担い、1年間、なんとか終えることができましたが、学ぶことも多く自分の成長にもつながるよい機会だったと思います。具体的には、OJT活動を経験して自分が思う率直な感想は、「教えることの難しさ」を十分に体得したということでしょうか。

自分の経験談を踏まえて申し上げると、自分が新入社員の時に色々なことを教えてくれた先輩は、実は年度の途中で異動になってしまい、1年間を通じての指導というのは受けられませんでした。近くで仕事を教えてくれる先輩が途中でいなくなってしまうというのはかなり戸惑う部分もありましたが、そういう意味では、明確に1年間指導してくれるOJTトレーナーが存在するのは新入社員にとって大変よい環境だと思います。
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Q. 「教えることの難しさ」とは。
佐藤:自分が担当した新入社員は高校を卒業して入社した18歳の社員で、大変若く、自分とは6歳の年齢差がありました。それまで居た環境が全く違うのは当然ですが、年齢差での感覚の違いなども大きな壁になるかもしれませんし。また、自分もまだ3年目で、これからまだまだ学び成長しなければならない若手の立場ですが、その自分がどこまで何を正確に伝えられるかどうかというのは不安でした。
OJT活動という会社として正式な活動が始まり、自分は実際にトレーナーという役割を担うことになり、最初は「OJTとはなんだろう」というところからのスタートでしたので、御社(アルー)から提供された関連資料や新入社員が研修で使った資料、そしてOJTハンドブックを一生懸命読み、理解し、実践しようと努力しました。まずは4月、5月のうちは、新入社員がいない時間や場所を見つけてそれらの資料をよく読み返し、自分なりの指導方針を考えていました。6月を過ぎた頃には、ようやく新入社員の個性なども少しずつ理解し、トレーナーとしての接し方なども自分なりのペースを掴めたので、マニュアル的なルールばかりに頼らずに進めはじめました。

人と人ですので、最終的には2人の関係性が大切になりますので、この関係性をうまく保ちながら、会社の風土に合わせた社員同士の関係作りですとか、必ず行うべき事務的作業、そして実際に会社の業務として身につけなければならない技術までを正しく伝える、教えるというのが、いちばん難しかったように思います。

トレーナーとして、及第点は欲しいですね。(笑)

Q. 関係性を築く工夫として、どのような取り組みをされていましたか?
佐藤:信頼関係を築くというところでいうと、たまに仕事帰りにマンツーマンで食事をしたりしましたね。いきなり業務の話しはせず、日常のプライベートな話題を心掛けました。担当の新入社員は工業高校卒業でしたので、「金の卵なのだから期待が大きい」と、冗談に乗せて笑いながら「期待をされているんだ」という緊張感を持たせたりしました。(笑)

新入社員はまだ未成年なので、お酒の席に誘えなかったのが残念でした。飲みニケーションがあればもう少し砕けたよい場が造れたかも知れませんけれど。いや、その辺はしっかり守りましたよ。(笑)
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Q. トレーナーとしての役割を終えてみて、ご自身で点数をつけるとしたら?
佐藤:指導する側、指導される側の関係が一応終わるということで、担当した新入社員から手紙をもらったんです。自分では教えるべきことを全て教えることができたかどうか、迷うところはありましたが、手紙には「色々とよい影響を受けて知識も経験も増えました」と書いてありましたので、ひとまずほっとしました。1年目の新入社員が受ける指導としては、よかったのかもしれませんね。自分としては教えることに関しても知識に関してもまだまだ成長すべきところがあると思っています。点数は難しいですが、頑張ったので及第点は欲しいですね。(笑)

結論。OJT活動は新入社員にとって大変ありがたい活動であり、続けるべき。

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Q. OJT活動について、佐藤さんから会社へのご意見があれば、是非この機会に。
佐藤:どこまで言っていいのでしょうか。(笑)
1年目を終え、恐らく会社としてのOJT活動にも新しい課題も見えてきていると思います。当然、課題解決や改善に対応していただけると思うので、OJT活動は続けていただきたいですね。現場へのアンケートでも、このOJT活動が新入社員をサポートする重要な鍵であるという意見が多かったようですので、2年目は現場の一体感も、より上がる気がします。
新入社員は「やる気」はあっても、相手を選ばなくても積極的に質問できる人ばかりで無く、中には誰に聞けばいいのか?とそこで前進が止まってしまう消極的な個性を持つ人もいると思います。
聞きやすい環境を造るというのはOJT活動の大きな意義のひとつだと思いますので、「この人に聞ける」という決まりは、新入社員の誰もが助かるのではないでしょうか。
新入社員の受け入れ態勢に課題を感じた上層部からOJT活動の導入について企画実施の指示を受け、早急に研究、整備、体制づくり、仕掛けに取り組まれた佐野様に、人財企画課のお立場からお話しを伺いました。
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Q. 実際にOJT活動を運営された佐野さんのお立場から、1年目を終えたご感想をお聞かせください。
経営企画部 人財企画課 佐野 友介 様
指導を受けた新入社員には、やはりまだ先輩のアシストが無いとできない、あるいは見えていないという部分もありますが、少なからず1年間で得たものは次年度の成長につなげて欲しいと思います。
OJT活動を取り入れるための企画設計に着手してから実働させるまでの時間が非常に短く、様々に乗り越えるべきことも多くありましたが、総体的に1年目としては上手く着地できたように思います。
もちろん、人財教育に関しては正解が無く世情や時代に応じて変化するものだと考えていますし、OJT活動にも課題は多く残っておりますが、課題に気が付き改善に向かえる状況が造れたことには、1年目の活動として手ごたえ、価値を感じています。
Q. あらためてOJT活動を取り入れることになった背景をお聞かせください。
佐野:近年、弊社でも職場環境の年齢構成について、バランスの悪さが顕著でした。
例えば、40代の課長の直下に新入社員が配属されるなど、社員育成の観点からもあまり理想的とは言えない状況が多くの現場に見られました。過去には、近い年齢の先輩の背中を見て育つといった環境もありましたが、現在はあらゆる側面において難しい。弊社の上層部がその現場のひずみに課題を感じ、2013年度の最中に、「OJTの仕組みについて早々に整備し、2014年度の新入社員に対応できるように」という指示を出しました。我々人財企画課としても同じ課題はずっと持っておりましたし、若手を育てる風土造りにも取り組みたかったので、その指示を受ける形でいよいよ着手に至りました。
Q. 特にご苦労されたのは、どのようなことでしょうか?
佐野:そうですね。全社の取り組みとして成功させなければ意味がありませんので、それぞれの現場をよい意味で巻き込んでいくことに注力しました。
正直なところ、すんなりとは進みませんでした。やはり現場の立場になってみれば、負担や責任の比重に対する疑問とか、役割として明確な基準が無いとか、次々に心配なことが出てきて当然ですよね。
そこで、人財企画課が事務局となり、現場に納得してもらえる体制づくりから始めました。仕掛けの中では、現場とは頻繁に書面のやり取りでコミュニケーションを図り、そこから何か見えてくるかと考えたのですが、やはりそれだけではだめで、研修の場を設けたり、意見の行き交いでは無く「一緒になって考える」姿勢でのぞんだりと、現場に納得や協力してもらう体制づくりのために様々な工夫をしました。苦労というより、必要な努力、工夫でしょうか。
OJT
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Q. 工夫された具体的な例を聞かせていただけますか?
佐野:ひとつは、特に「場づくり」に努めたことが具体例になるでしょうか。
OJT活動開始4ヶ月ほど経過した8月頃からキャラバン体制を設けました。

現場で細かく状況や課題、質問などの話しを聞いて、どのように対策を立てればいいのか、一緒に考えて会社として盛り上げ、雰囲気を造るといった「場づくり」ですね。
もうひとつは、何も無い状態から次年度に向けて発信しなければならないという現実の中で、猛スピードで進めるための「効果的な時間の使い方」を実践したことです。意味のある仕掛けを少ない時間の中で展開するには、関わる社員の適確な役割分担、現場の理解を得ると共に早々に巻き込みを図ることなど自分自身がどのように動けば結果を出すことができるのか、工夫というか最善を尽くしました。
OJT活動を導入するうえでの全般的な工夫については、前もって弊社の事情をよくご存知であるアルーさんに相談をし、最適な仕掛けを色々とご提案いただいたことが良かったですね。
この日はお二人とも、1年を総括し次年度に繋げるといった目的の「OJTトレーナー最終報告会(全3回 最終回)」を終えたばかりで、大変お疲れにもかかわらず積極的にインタビューに応じてくださいました。誠にありがとうございました。

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