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2012年2月
アジア各国の将来を担う「次世代ビジネスリーダー」の育成アルー株式会社 グローバル商品開発部 エキスパートマネージャー 山口 幸治
京都大学大学院人間・環境学研究科修了(応用生理学専攻)、読売新聞大阪本社入社。島根県松江支局にて、県警記者クラブに所属、県内の事件・事故の取材を担当。その後、兼松株式会社に入社。米国産・カナダ産の食品の輸入通関業務・営業・品質管理などを担当、北米地域有数のグローバル企業との交渉に従事。2011年アルー株式会社に入社、中国・インド・シンガポールなど海外事業全般を担当。
グローバル化の壁は単に「語学力」なのか
それでは日本で語学学校に通い、あらゆる企業が導入しているTOEICのスコアを改善すれば、不安を解消し、新興国においてビジネスの結果を出すことができるのだろうか? 答えはNOである。実際に、TOEICのスコアが900点を超えるにもかかわらず、海外とのコミュニケーションで苦労し、結果を残せない人がいる一方で、その逆も存在する。これまでもそのようなケースを多く目にしてきた。では、ちまたで言う語学力以外にどのような要素が必要となるのであろうか。同調査の回答では、同時に「不安を感じる」理由に、「文化・価値観の違い」、「意思疎通」も挙げられている。
筆者の前職(商社)での経験を紹介したい。前職ではカナダを担当する期間が長かったが、ご存知のとおりカナダは多民族国家である。したがって、交渉相手は、アングロサクソン系、フランス系、中国系、ユダヤ系と多岐にわたり、それぞれが話す英語に異なる特徴がある上、交渉のアプローチも違う。そうした環境においては多様性を受容し、いかに柔軟に対応していくかが問われる。また、時には正面から大いにぶつかり、自社の主張を通さなければならないときもある。こうした経験は、アジアの新興国各国にビジネスの場を移した現在、大いに生かされていると思われる。ただし、日本において海外のビジネスマンにもまれて成長するという経験ができる機会は限られている。
グローバル他流試合で学ぶこと
今回の公開講座においては、グローバリゼーションやグローバルリーダーシップに関するレクチャーのほか、アジアのグローバル企業のケーススタディ、市内視察などが盛り込まれ、中でも多様なバックグラウンドの受講者が存在する環境においてのディスカッションは大いに盛り上がった。
ここで日本人受講者の声を一部紹介する。
「グローバルビジネスを本気でやるなら外国人上司、部下とのかかわりは不可欠。対応しないと置いていかれる。危機感を持った。」
「日本のセミナーに参加すると、同じような意見による議論になりがちだが、今回はそれぞれ考え方が違い、相互に学びあうことが多かった。」
「リーダーになるという意識と意思が高まった。」
日本人受講者は、一定の海外経験があり、社内ではグローバルビジネスの第一人者である方が多く参加していたが、アジア各国の優秀なビジネスマンとの他流試合に大いに刺激を受け、それぞれの職場に戻られたと認識している。今回の取り組みについては、少なくとも6カ月に1回開催し、韓国、ベトナム、マレーシア、インドネシアなど参加国も拡大していきたいと考えている。
最後に印象に残ったインドからの受講者の声を紹介したい。
「自分の国ではシンガポール国立大学のような所で学ぶのはめったにないチャンス。この機会を今後の成長になんとしても生かしたい。」
実際に彼の受講態度は非常に積極的で、日本人が経済成長と共に失ってしまったハングリー精神を思い起こさせるものであった。日本人受講者の中に良い意味での危機感、日本を背負って立つ使命感が芽生えたのではないかと思われる。





