新人・若手を戦力化したい事例:入社時に、社会人としての意識づけをしたい

【企業情報】

業界 通信・情報業
対象 入社1年目
企業規模 1,000名~4,999名

課題

研修では優秀、しかし、挨拶ができない

最近の新入社員は、以前よりも入社時研修では優秀で、グループワークや発表も上手くこなしている様子から、安心して配属先に送り出したつもりであった。しかし、配属先からは「叱るどころか、呆れて注意する気にもならない」といった声が聞こえてくるようになった。詳しく聞いてみると、上司から「おはよう」と挨拶しても無言であったり、仕事を頼んでも学校のテスト感覚のようで、本屋に並ぶ攻略本そっくりの書類を提出してきたりするというのだ。新入社員の育成担当者は、このような“一見優秀だが、仕事は任せられない”という傾向は、年々ひどくなっていることに焦りを感じ、秋になると次年度の新入社員をどのように育成していったらよいか悩んでいた。

原因文析

相手視点になって、客観的に考えられない

最近の新入社員は、就職活動などを通じて、決められたルールに沿って発言・行動をするのは慣れているが、その反面、決められた正解のパターンがわからないと、急に大人しくなってしまう傾向があった。例えば、自分に任された仕事で、ひとりでは解決できない壁にぶつかっていても、上司・先輩が手を差し伸べてくれるまで何もせずに待っているというのだ。つい先日まで学生生活を送ってきた新入社員には、仕事の成果が自分だけでなく会社が評価される場であるという意識は薄く、あまり自分と組織・会社を結び付けて考えられていなかった。

解決策

「社会人として一人前」でなく、「プロとして見られる人」を目指す

育成担当者としては、これまでも社会人としての意識づけをさせるような研修は行ってきていたが、最近の傾向を見ていて、次年度の新入社員の受け入れについて大きな不安を抱えていた。そのため、次年度入社してくる新入社員については、「社会人として」ではなく、「プロとして」の意識づけを、入社直後に徹底して行うことにした。実際に、最初に行ったのは、新入社員に、いち早く“ひとりの学生”から“A会社の社員”になったという自覚をもたせるために、自社の理解を深めるチーム形式のワークショップであった。さらに、ビジネスの現場で求められる成果と行動を、疑似体験を通じて学びながら、彼ら自身の行動を一つ一つ振返る機会をつくった。

結果

A会社の社員として、お客様(相手)にとってどうあるべきか、を考えるようになった

数々のチームワークを通じて、学生時代までは自分の気の合う仲間とだけ接していればよかったのに対し、仲の良し悪しに限らず、結果を出さなければならない状況に身をおくことで、社会人らしい対応が徐々に見えるようになった。さらに、自分では満足するレベルでも、ビジネスにおいてはお客様(相手)の期待に応えなければ意味をなさないことを疑似体験を通じて学び、 「仕事」に取り組む姿勢にも変化が見られるようになった。その結果、数ヵ月後に配属先から、「今年の新入社員は、自分の仕事について他部署がどう関わっているのかについての関心が高く、これまでの新入社員と比較しても仕事の理解が早い」という声が、次々と育成担当者に届くようになった。

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