コラム : ダイバーシティ時代の育成シナリオ

2015年11月09日

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2015年6月18日に、弊社主催によるセミナー「Executive HR Forum 2015 グローバル&ダイバーシティ時代の育成シナリオ~若手を育て上げる、仕組と“しかけ”~」を実施いたしました。

ゲストに青山学院大学/陸上部監督の原晋様をお迎えし、弊社代表取締役社長/落合文四郎との対談では新入社員をはじめとする若手社員を育てる上での必要な仕組みづくりや環境づくりについての議論が展開されました。ざっくばらんにわかりやすく経験談をお話しされる原監督に、ご来場の多くのお客様が興味深く耳を傾けていらっしゃいました。

-青山学院大学/陸上部監督/原晋氏 単独講演 内容抜粋-

行動指針
感動を人からもらうのではなく、感動を与えられる人間になろう
今日のことは今日やろう。明日はまた、明日にやるべきことがある
人間の能力に大きな差はない。あるとすれば熱意の差である。

毎年新入部員に渡しているA4の用紙1枚にまとめた考え方
「できない・無理・難しいという先入観を払いのけよ。問題への態度がすべてを決する。何が問題なのか問われたり、高い目標が示された場合、普通の学生の示す態度はどうだろうか。大抵まず拒否反応を起こす。だからその答えは、できない・無理・難しいといった類の答えになる。そうして必ず、是々云々だからという弁明が出てくる。問題によっては確かに不可能で無理で困難な場合もあろう。しかし、多くの場合は固定概念や惰性や自己防衛本能から来る先入観の表れだと言ってよい。後ろ向きの態度が成せる業である。大切なのはその問題をどうすれば解決できるか、どうやったら達成できるかを考える前向きな態度である。この態度の違いはあらゆる問題を明と暗に二分してしまう。その問題をこなす能力があるかどうかは二の次だ。その問題に取り組む態度がどうであるかをまずは問わねばならない。」

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アルー株式会社代表取締役社長/落合文四郎(以下/落合):原監督、ご講演どうもありがとうございました。非常に興味深く拝聴させていただきました。まさに先ほど私の講演で申し上げた内容にすごくリンクするところが多いなと思いながらお話を聞いておりました。そういった共通点はいくつもあるのですが、特に挙げさせていただくならば、行動指針の3項と最後にご紹介いただいたA4の用紙にまとめて渡されるという考え方。そこは非常に共感いたしました。しかし一方で、まず初めにそうした理念を学生の皆さんにお伝えしても、なかなかうまく伝わらないのではないかという不安もあります。頭では理解するものの、なかなかそれがすんなりと本人の中に入っていくわけでは無いのではないでしょうか。原監督のご経験として、学生に上手く浸透させている事実があるとすれば、そこにはやはり内面化させていく有効なプロセスがあるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?具体的にどういう意識で臨まれ、あるいは取り組みをされているのでしょうか?

青山学院大学陸上部監督/原晋様(以下/原:敬称略):そうですね。やはり、答えはひとつではないというところが、まずベースにありますよね。行動指針、考え方についても、それだけがすべてじゃない。答えはひとつじゃないけれども、守るべき根幹、あるいは自分が信じる考え方を新しく創り上げていく上での根幹になればいいと思っていて、学年や立場や成績によって受け止め方の違う学生たちすべてに、自分なりの理解をし、体感していく中で身に付けてもらいたいという感じでしょうか。そういう姿勢で伝えていますね。それともうひとつは、戻るべき場所を作ってあげるということでしょうか。人間というのはそもそも怠け者の動物で、遊びたいであるとか、さぼりたいというのが根本にあると思います。ですから、色々なことをやっていく中で、怠けた時にはちゃんと戻らせてあげる場所がある。それを作っておいてあげる。つまりは、この戻らせてあげる場所というのは、最初に伝える哲学が大切だと思います。ここでいう学生達は、みんな陸上競技が好きで入部しているので、陸上競技を通じて体感できる哲学を伝え続けていれば、どんなに軌道を外れてしまうような意識になっても、本質を思い出し、元の軌道に戻ることができると信じています。実際に、みんな軌道修正できています。ですから僕は哲学の部分を、入り口、導入部分で大切にしております。これで、答えになっていますでしょうか?(笑)

落合:はい。大丈夫です。(笑)なるほど、貴重なお話ですね。やはり、哲学、企業で言えば理念、というのはあらゆる視点から行動の基本になるものなのだということが実証されていますね。

原:最近、いろいろな場面で講演に呼んでいただくことが増えましたが、人を育てるといった内容のセミナーが多いです。企業がいかに優秀な人を育てるかといった時には、理念浸透という言葉をよく耳にします。学生も社会人も、新しい環境で活躍するにはまずその環境の考え方に共感することが一番の早道なのかもしれませんね。しかし、その考え方がめちゃめちゃではダメで、考え方を示す方の意識、姿勢、根拠、そして、伝え方がしっかりしていなければいけません。

落合:さてそこで原監督に教えていただきたいことがあります。行動指針も、そして考え方についても、新入生が陸上部に入部された時に伝えられますよね。恐らく、3年生4年生くらいになると言わずとも骨身に染みついているくらいになっているのではないかと想像するのですが、当然新入生がそうなるまでには時間がかかるのではないでしょうか。伝え続けてどのくらい経つと、原監督の立場から、「自分が言うまでもないな」という状態あるいは行動になるのでしょうか?

新人・若手社員を含むすべての個人を尊重し、組織を成長させる。

原:そうですね。浸透しているかしていないか、例えば行動指針の3つが行動に表れているかいないかというのは、一見、個人のそれぞれを見がちになってしまうのですが、実は組織全体に根付いているかどうかが大変重要なのです。少し話がずれてしまうかもしれませんが、今、箱根駅伝で次にくる優勝候補というのは東海大学だと言われています。5000メートル競技でランキング上位の選手が、次々に東海大学に流れて来ていまして。いわゆるいい人材の流入です。
しかし、だからと言って来年すぐに、もしくは、再来年すぐに優勝するかと言ったらこれはクエスチョンですよね。と言うのも、良い成績云々の前に、いい人材と呼ばれる彼らの行動や意識が、きちんと組織に根付いているかどうかがわからない。そこがポイントですね。
マラソン、駅伝は「走る」という特徴において個人の競技だと思われがちですが、選手のすべてが競技会だけで走るわけではありません。複数の人間が集まっている環境の中で練習をするし、練習にアドバイスをしてくれる指導者や先輩とコミュニケーションを図ることになります。当然そういうコミュニケーションがないと記録の伸ばしようがありません。結局は、組織の中で自分の可能性を試す、活かすことになる。組織の中での自分だとか、組織の進む方向は選手一人一人に大きな影響を及ぼします。
ですから、組織と個人の両方に行動指針を根付かせるというのが大切なのですね。成績優秀な人材が個々に想いを抱いても、束にならなければ強くならない。組織としての力にはならないと思います。

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